蒐集

鮮やかな憧憬

僕はどこにいる

 「お金は掛け替えのない物ではないから好きだ」とか「どんな才能にも代わりが見つかる」みたいな感傷について書くなら,その作家は東京にいるべきだというようなことを考えていた.

前回の投稿では「自分の感情を整理しきる時間が無い」つまり「安心して一人になれる時間が不足している」ということを書いていたけれども.今日の僕もその状況に変化はナシ.以前の僕なら多分,稚拙ながらも終着点を決めてから文章を書く周到さを持ち合わせていただろうけど,悲しいかなその余裕もなく見切り発車でつらつらと文章を連ねている.

東京から大阪まで新幹線で3時間.ゆっくり行こう.

 

さて,東京へはミュシャ展を目的に来ていた.まあ実際はそれを大儀名文に,友人宅へ逃げていたんだけれども.ミュシャに関してはかなり叫びを聞いたと思う.そういう感受性含めて,それはそれで後で書きたい.

ともあれ僕は東京へ来て,友人と話し,同僚と話し,立ち飲み居酒屋で居合わせたおじさんや,執事喫茶でソムリエと話したりした.

 

 相変わらずテンションやメンタルは制御できてない.昨年頃からの僕は,対人関係において少しオーバーフローしている感もあって,以前の僕(というにはもう昔すぎるのだけれど)の社交性から考えるとこれは明らかにやりすぎだ.最近はその遣り過ぎ傾向が加速しすぎていて,まるで自分が積極的な人間だったかのような錯覚に陥る.なんでこんなことになっているんだと考えてはみたけど「多分,一人で考えるのが少し怖くなっているんだと思う」とか,あるいは「再び実家に住み始めたことに端を発する,対人不安の加速も原因としてあるのかもしれない」とか,ふわっとした感触以上のモノを掴めなかった.まあだって,因果関係なんて後からなんとでも言えるから.

三日間起きている間は常に誰かと話をしていたように思う.そして,感触として「みんな悩んでる」というのを一つ思った.自らの境遇や環境や将来について,考えを巡らせている.当然僕もそうだ,僕も悩んでいる.

就活期から新社会人になったあたりで持つ悩みの多くは幾つかのレイヤーに分けられるんだろう.例えば,自分とか他人とか存在とか生死とかリスクとかお金とか,そういう,いろんな切り口の問題がもじゃもじゃと絡んでいて,とても見通しづらくなっているんじゃなかろうか.

自らについて問う.自らの存在価値とか,理由とか自らの基底するモノに関してとか,少しスコープを寄せて語るなら,どのようにしてその目的を定めるか,とか.人間社会を一通り経験した気になって,生意気にも人間の類型なんぞをやり尽くした気になっている23~25歳頃の人間の悩みとしては,自分のコンセプトみたいなものが結局一番ポピュラーな悩みになるんだろうなと思う.言語で世界を構築することの限界を見て,気持ちとか身体とか,そういうものにも意識を向け始めた子供達というか.

 

スコープがバラバラでもいいので,今ある問題についてざっと思いつく限り書いておきたい.あらかじめ書いておくけど,多分これは今後増減する.(こういう許しギミック的な文言を随所に散りばめないと,今の自分には言葉を進めていくことができない)

 

  • 仕事
  • 資産
  • 性別
  • 友人
  • 同僚
  • コミュニケーション
  • 技能
  • 時間
  • 身体
  • 恋愛
  • 子供
  • 言葉
  • 表情
  • 外見
  • 社会
  • 感情
  • 病気
  • リスク
  • 知能
  • 構造

 

まあざっくりこんなもんか.これをなんとなくグルーピングする.

 

①ライフプラン関連

→キーワード:資産,親,性別(=身体),恋愛,子供,病気

→自分にとって何が幸福なのかわからない

自分の人生の総時間を二つのエリアに分ける.どんな二つかというと,「仕事」と「仕事じゃない部分」の二つ.人間が社会で生きてゆくためにはお金が必要で,そのためには何らかの働きをしないといけない大前提があり,僕の場合はそれがエンジニアとしてモノを作る事だったという流れがある.僕はものづくりが好きだし,夢もあるし,自分でお金を手にいれる楽しさを知っているからそれでいいと思うのだけれど,コミュニケーションでメンタルをやったり,書類管理がヘタだったりして適応に苦労する部分は確かにある.僕の特徴は火力だから,火力でその能力の欠如を補っていて,じゃあその火力ってなんなのと言語化すると,多分時間とかなんだろうなと思う.僕は好きだから,人より時間をかけてる.それだけなんだ.

 

そこで,この「仕事じゃない部分」問題が僕に囁く訳だ.

親の事とか,身体のとか.お前はこれから家庭を築く必要があるんだぞ,とかね.多分,タイムリミットとも言えるけど,僕の両親は僕が何才までに結婚して子供を持つとか,そういう希望をガンガン主張してくるタイプだ.最近そのタイムリミットが近づいてきていて,僕はかなり悩んでいる.なぜって,僕は未熟なまま大人になってしまったから,人間がわからない上に恋愛とか性的接触に関するトピックに対して異様な嫌悪感を持っている.というか,ぶっちゃけて言うと僕は大半の人類の事が好きじゃない.人類の側だってそんな僕の事は好きじゃないだろうし,僕はわりと高確率で普通に浮いてしまう.謙遜とかじゃなくて,普通に僕は嫌な奴だしね.加えて,コミュニケーションにはどうしたって時間を割く必要があって,今僕の中にある構図としては,夢と義務感としての結婚が天秤にかかってる感じ.

 

まあぶつくさ文句を書いた訳だけれど,僕は自分の幸福がなんなのかちゃんと自分で選んで,それで本気でその事に集中しないといけないんだろうなと思う.まあ当たり前のように外野はうるさいだろうけどさ,どんな選択をするにしても,またここで親を言い訳に使ったりなんかしたら,それこそ僕はもうこれ以上自分を許せないと思うんだよね.

その上で書くんだけど,僕にとっての幸福って何ですか.

僕はよく,「空間になりたい」とか「人間を辞めてただの系になりたい」とか口走る訳だけれど,僕が残りの人生を本気でそのために徹したとして,僕は幸せになれますか.……とか言うとまたナンセンス.

幸せって何ですかって問うとき,僕はそれをどのレイヤーから眺めていますか.その定義は,僕にとって本当に頷けるものですか,

本当って書くとき,多分,僕は僕の所在を尋ねている.僕はどこにいますか.

 

それが定まっていないから,僕は僕の行く末を決める事ができず,諦めた態度で斜に構えるしかなくなるんだよね.それで斜に構えている限り,僕はよくないルーチンを積み上げ続ける.

 

②自分は何の為に時間を使うのか(自分は何の為に生きるのか?)

→キーワード:仕事,資産,技能,時間,知能

→僕の持っているコンパスや地図は正確か?

さっき分けた「仕事」と「仕事じゃない部分」の二つのうち,多分「仕事」の部分についても僕はちゃんと向き合わないといけない.

僕は曲がりなりにも(選んだ・選ばされた関係なく)技術者だ.技術を売り物にしてお給料をいただき,それを賢く運用して死ぬまで食べていかないといけない.それは結構,途方もないことだ.僕の技術者としての寿命があったとして,そこまでの有限時間を僕はどうやって過ごして行くつもりなんだろうか.今の僕にはそのプランがない.

僕が勉強嫌いなことは大学で嫌という程学んだし,周囲の人たちの賢さに圧倒されたし,大量の失敗経験も積んだ.学生だから積極性が評価されたし,それはよかったんだ.でもこれからはそうじゃないんだ.どこかの局面で僕の真価が絶対に問われる.そういう道を僕は選んだんだ.

 

だとしたら,と思う.僕の持っているコンパスや地図は正確か?

自分の行く末を考えるときに,僕はどれぐらい正確に自分が見えているだろう.見たいものが見えていることにしてないか?

……正直,してるよな.僕に価値がないことを分かった上で,僕はこのままでいいのかと考えないといけない気がしているんだけれど,僕はそのことを考えると自傷的な方向に逃避してしまって,なかなか真っ当に考えを進めることができないんだよ.

 

僕のこの強烈なナルシズムをなんとかすることはできないだろうか.このままいくと,三十くらいで自殺以外の選択肢が自分に残らない気がしていて,僕は今,それを危惧している.

 

③構造に端を発する社会の認識系のこと

→社会(構造自体や,ミクロ的に見た他者),感情,リスク

稚拙さと自意識過剰

自分で言語化するのに疲れた.幾つかキーセンテンスを拝借しておくから再生してくれ.

「模様としての世界は、知覚に入力され、直観によって構造化される。そしてそこに悟性が判断を下すことによって経験が可能になる。」

「直観されただけの世界は、あくまで主観的なものであり、一回的なものであるのだけれど、それが純粋悟性のカテゴリー(因果関係とか量とか)に組み込まれることにより、普遍妥当性を獲得する、という流れ。」

「悟性というのはいわば(人間にとっての)辻褄を世界に与える仕組みである。」

「ただしこの悟性による判断は、直観による裏付けがあってはじめて意味を持つ。悟性の機能はわれわれが直観しうる世界よりも広く、それゆえに、裏付けとなりうる直観をもたないような判断をしてしまいうる」

過去の学習内で,僕が見出したパターンについて.僕はその稚拙さについてもう一度向き合わないといけない.最近慢心が過ぎる.

 

もう一つ拝借しておくから再生してくれ.

「だいぶ改善されてきたとはいえ僕はまだ相対性と抽象の中に生きていて、だから(暗黙にであっても)なにかを貶めていなくては精神の安定を保てない。普通に嫌な奴なのでなんとかしたい。」

「人をもっと尊敬していきたいと思うのだけど、僕にはまだその余裕がない。」

 

いいか,今日まさに今この瞬間にも僕は逃げている訳だが,きちんと再生してくれよ.

 

④コミュニケーション

→構造(関係性,人間と人間の相互作用),感情,社会(考え方や振る舞いなど),外見,表情,言葉,同僚,友人

→ムラ

 

これに関しては上に関したこととも付随している.僕は今どこにいる,僕のコンパスは正確か? 

冗長性を楽しむタイプのコミュニケーションが,おそらく僕はとても苦手で.それは,僕のコンセプトが定まらないからってのもあって.

問題は方向性もそうなんだけど,直近の問題レイヤーで捉えるとすると,今一番の問題はムラなんだ.

 

 

さて.

ふむふむ,なんかこういう風に書いてあると安心してくるな.

じゃあもう少しメタなレイアーについて考える為に,これをさらに抽象化してみたくなる……けど,残念.今日はちょっとやめておこうと思う.タスクとして,大谷翔平くんの作っていた曼荼羅を僕も作るというコトだけわすれないように書いておきたい.

 

さて,新幹線は静岡にさしかかったところで,今名古屋に近づいている.おそらく残り30分と少し.僕はこの時間で書きたいことがあるんだ.それは冒頭に書いたようなこと.そう,東京について僕は書きたい.

 

僕は東京へは時々来る.すごく気の合う友達がいるっていうのも理由のひとつだし,いろんな機会を求めてというのも理由のひとつだ.とにかく東京はヒトが多く,モノが動き,経済が回る.音楽も,芸術も,テクノロジーも,様々なコトの緒が目まぐるしく垂れていて,またそこから新たに,アニメや小説の産地になることだって多い.

 

僕が過去住んだことのある街は,大阪の田舎と,京都の二箇所だ.どちらも近くに都会があるけど,東京は特別人が多かった.

 

これだけ人がいるのに,僕は人間についてずっと悩んでいる.

人間にまつわる,感情とか生死とか.

 

(ごめん時間が足りなかった)